今回はDTM&コンピューターミュージックの歴史の3回目、「DTM黎明期」です。
前々回シンセサイザーの登場、前回はその音響合成の仕組みをファミコンの音楽を例に進めていきましたが、今回はその続きとなります。前回のファミコンの回は数に数えませんので今回が3回目となります。1960年台から。
前々回「コンピューターのプログラミングが曲に使われた初めての作品「イリアック組曲」が1957年に出ます。」
というのをやりました。コンピューターがこのころから少しづつ実用的になってきます。1960年代は主にシンセサイザーの進歩があげられるでしょう。またテープレコーダーも比較的安くなったためミュージシャンがテープ音楽に参加しやすくなったともいえます。
※テープ音楽とは録音されたテープを切り貼りすることでできるコラージュ的な音楽のこと
1979年にシンクラヴィアIIという機械が発売されます。
シンクラヴィアのシステムはFM音源のシンセサイザー、サンプラー、シーケンサー、ミキサー、視覚的作業が可能なコンピュータ端末、鍵盤で構成される。これらはシームレスに連係し、音色データや演奏データはハードディスクに記録することができる。サンプラーのサンプリング周波数は最高100kHz、連続録音時間は最長75分。シーケンサーの分解能は1/1000拍。さまざまなジャンルのサンプリング音のライブラリーがある。
wikipedia参照
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サンプラーとは音を「サンプリング(録音)」してそれをひとつの素材として扱うこと。
シーケンサーとは演奏するデーターを入力するとプログラムどおりに演奏をさせることができる機械
ミキサーとは各パートの音量や音色などをそれぞれコントロールし、まとめることのできる機械
これだけのことが一挙にできる機械なんです!!
今は普通にありますがこの当時は奇跡のようだったのかもしれません。
もちろん性能面では比較できませんが、まさに現在のDTMでつかわれているシーケンスソフトに近い機能を持ち合わせています。
こちらはシンクラヴィアⅡ
まぁただこのシンクラヴィア、値段が数千万~1億もしたそうでとても一般人に手が届く金額ではなかったようです。かの小室哲哉も1億円でこのシンクラヴィアを買って「空をとぶ以外ならなんでも出来る」と言わしめたそうですし、パットメセニーも使用しています。最長72分ものサンプリングが出来たそうです。今でこそ72分のサンプリングはなんてこと無いですが、当時は1M程度のフロッピーディスクで数秒のサンプリングで大喜びしていた時代ですので凄いと言わざる得ません。
こちらはFairlight CMI 。このシンクラヴィアのライバル機でした。1980年代にこれがあったというだけで驚きです。
ハービーハンコックがレクチャーしてくれてます。
これを見るとわかりやすいです。
子供たちの声を録ってそれを鍵盤にアサインしています。これがサンプラー機能。
音をサンプリングしてその音が鍵盤から流れます。半音上がるとサンプリングの音も半音あがりますが、その分波長も短くなるので音程をつければつけるほど音は劣化したような音になっていきます。
画面にいろいろ書き込んでますね。曲線っぽいのは音の出方を画面に直接書き込んでいるんでしょう。
その後にドラムの打ち込みもしてますね。そして1980年代にはいると本格的にコンピューターミュージックが台頭してきます。
次回はDTM&コンピューターミュージック(1980年代)を書いていこうと思います。
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